日常生活で注意すること
December 31.2005
ウォ-キング(運動)のすすめ
理由
- 運動不足、肥満などを原因とする生活習慣病(成人病)対策としてだれでも簡単に、いつでも、どこでも費用のかからないスポ-ツです。
実践
- まず、健康状態のチェックが必要です(メディカルチェック)→かかりつけの医師に相談して下さい◎許可が出ても自分の体調は自分でチェックしましょう。
- どの程度、行ったらいいか→かかりつけの医師に相談して下さい。
- 美しい基本姿勢とフォ-ム。
- 背すじ・膝を伸ばす 正面をまっすぐ10-15メ-タ先をみる。あごを軽く引く肩の力を抜く おなかの筋肉を引き締めながらおへそをやや前に突き出す。腕のふりは脚の運びにあわせる ひじは90度くらいに曲げる 指先は軽く握る。腰のひねりを使って足を前に出す かかとから着地しつま先でけり出す。
- ウォ-ミングアップ、ク-リングダウンも忘れずに行う。
その他のポイント
- 継続するためには:仲間をつくる---ウォ-キングはおしゃべりしながらできるスポ-ツです。
- 人では---コ-スに変化をもたせる。音楽を聞きながらリズムにあわせる(ボリュ-ムに注意)。
- イヌといっしょ--イヌに振り回されないようにしましょう。
- 梅雨どきなど---自宅の階段をつかって昇降運動しましょう(脚力をつける)→階段の上る運動量は平地の3.5-5.2倍。
- シュ-ズの底の減り方から改善できること:内側が減る--内股歩き---つま先をまっすぐ前に出して歩くよう意識する。
- 外側が減る--外股歩き--歩幅を広くして、足の裏の土踏まずの側に力を入れて歩くようにする。
運動の強度について(参考)
- 通常、心拍数により運動強度を決めている。自覚症状を参照してBorg指数の10倍を心拍数の目標にしましょう(普通は13---ややきついが上限になります)7:非常に楽 9:かなり楽 11:やや楽 13:ややきつい 15:きつい 17:かなりきつい 19:非常にきつい
スポーツをする前に
スポーツ参加者へのアドバイス
- 1)スポ-ツは最悪の場合、突然死、その他身体障害を引き起こす可能性があります。
- 2)それらを避けるためにも、かかりつけ医等によるメディカルチェックが必要です。場合により、さらに専門医の受診が必要です。
- 3)現在、治療している疾患がなくても、また生活習慣病予防のためのウォーキングのような比較的軽い運動でも、
さらにメディカルチェックで異常がなくても(1)のようなことがあるので
下記のようなセルフチェックを、当日に行うことが有用です。
スポ-ツ参加者のためのセルフチェックポイント
(日本臨床スポ-ツ医学会より)
熱はないか |
ない |
ある |
体はだるくないか |
ない |
だるい |
昨夜の睡眠は十分か |
十分 |
不十分 |
食欲はあるか |
ある |
ない |
下痢はしていなか |
ない |
ある |
頭痛や胸痛はないか |
ない |
ある |
関節の痛みはないか |
ない |
ある |
過労はないか |
ない |
ある |
前回のスポ-ツの疲れは残っていないか |
ない |
ある |
今日のスポ-ツに参加する意欲は十分にあるか |
ある |
ない |
上記の項目の中で1つでも2列の回答の右の項目に○が付いた場合は、当日のスポ-ツの参加はさけて休養をとり、1週間以上症状が続いている場合は医師の診断を受けて下さい
熱中症対策
高温対策
- 暑い環境(車中や直射日光の当たる場所)や換気の不十分な場所からは待避する。
- 激しい運動を避ける。
- 少し塩分(ナトリウム・クロール)のある飲料水の補給する。
- 放熱性の悪い衣類は着ない。
温度以外に注意する事
- 喉の渇きは、脱水の指標にはなりません。自分の感覚を過信しないこと。
- 激しいスポーツでは、のどの渇きに関係なく、定期的に水分を補給すべきです。
- カリウム、マグネシウム、カルシウムも同時に補給する。
(暑さに長時間さらされる時には水分以外にも電解質の補給が必要です。)
運動中の熱中症に関して
- スポ-ツ中の熱中症は30度以下の気温でも発生しています。気温が高いだけでなく湿度が高いと発生しやすい。
- 肥満の方は特に発症しやすい。その他、疲労・睡眠不足などに注意する。
- 予防対策:脱水症の予防。休憩。脱水の程度は運動前後の体重測定である程度判ります。長時間の運動では塩分の補給。
- 一般対策:涼しい場所に寝かせ、水分補給。重症になると意識障害、体温上昇などあり。
- 状況により(例:応答が鈍い、言動おかしいなど意識障害あり)、迅速に適切な医療を受けること。
お風呂に入る前に
入浴による急死
全国で年間約1万人おられます。
原因
虚血性心疾患と脳出血が最も多い
入浴に関連する事項
血圧と脈拍数
- 全身入浴中--入浴前よりいずれも上昇、増加する
- 浴槽から上がった直後---いずれも低下、増加する
疾患別
- 狭心症
所見
- 労作性狭心症および労作安静狭心症の方→浴槽中で異常(※)が出現する。
- 安静狭心症の方→出浴直後の立位で異常(※)が出現する。
- 注:異常(※)=心電図での不整脈やSTの変化
対策
- 労作狭心症:適温浴(41度以下)にする。全身浴より半身浴。長風呂さける。
- 安静狭心症:高温浴(42度以上)を避ける。急激な起立に注意する。入浴前後の喫煙、脱水状態、血圧低下等にも注意する。
- 脳血管障害
- 高血圧患者:治療を十分におこなう。
- 出浴時には浴槽の縁で立ち上がる癖をつける
- 発汗の多い人;入浴前後に十分水分をとる
紫外線対策
- 紫外線はDNAを傷つけ癌など色々な病気の原因となる、有害な太陽光線の成分です。
- オゾン層の破壊によって有害紫外線の量が増えています。
- しかし、大部分の人にとって日射の回避は不可能です。そこでどうしたら紫外線を浴びる量を減らせるかを考える必要があります。
- 日照時間の制限で考慮しなければいけない事として、一般的な人の生涯の中で日光暴露が18歳までに集中している事実があります。この時期の紫外線対策が、ガン対策としても重要になります。
- 親、学校関係者、幼小児に正しい教育が必要です。知識の乏しい方・誤った知識を持つ方も多いためです。
- 紫外線の直接照射を減少させる服装(織り目の細かい日光を遮断する衣類、後頚部カバーのある広縁の帽子、長袖、ズボン、日焼け止めクリーム等)すべての学校・幼稚園で励行するべきです。
- 外国(白人系)では、小児から紫外線対策が実行されています。(1)Slip=長袖をきる, (2)Slop=日焼け止めを塗る, (3)Slap=帽子をかぶる, を国レベルで提唱しています。
- 太陽紫外線は皮膚がん、白内障などを発生させたり、体の抵抗力(免疫能)を低下させます。免疫能の低下は、再発性単純ヘルペス(口唇周囲にあらわれる)などで現れます。
- どの程度の紫外線を浴びても良いのか? 身体に必要な必要な紫外線は、太陽光レベルで一日1分もあれば充分と言われています。不要な紫外線はなるべく浴びない方が良いと考えます。
- サンスクリーンの使用については、皮膚科・かかりつけ医にご相談下さい。
参考1:日焼け止めクリーム
- 持続性のある製品を使うこと---スプレータイプが人気があるが効果の持続に問題あり?
- 一般的には、液体製剤よりはクリーム状製剤の方が持続性があると考えます。あとは好みの問題。
- かぶれる・肌に合わない製品は使用しない。
参考2:光過敏症
免疫防御反応、遺伝子の修復などに影響します。
- 1.光毒性・光アレルギー(薬品, 食物, 植物, 日光じんましん等), 2.皮膚がん等, 3.膠原病、単純ヘルペスなど
アナフィラキシーショック
1型アレルギーによる急性の免疫反応です。
症状
- のどの違和感を訴える、舌や唇がむくむ(腫脹)、咳が出る、脈が速くなる、皮膚が赤くなる、顔が腫れる、全身のじんましんなど、呼吸困難、ショック(血圧低下)、場合により腹痛・吐き気・下痢、重症では酸素低下、血圧低下が顕著な場合心肺停止→死亡する事もある
原因
- ハチ刺傷(アシナガバチ、スズメバチ、マルハナバチ類)
---受傷後10分以内なら、さされた部位からハチの毒液を吸引(口で吸ってはダメ)。針があれば抜く。局所を冷やす。病院を受診する。
- その他にもアレルギーの原因として、ハムスター、そば、木の実、酒、クラゲ毒、ラテックス、医薬品、牛乳、卵、魚など多数の物があります。
対処
- ショックの程度は様々なので、その病態に応じて対処は違ってきますが、まずすべきことは、原因となる物を除去してすぐに横になる事。状態が悪化する場合はすぐに救急車を呼び病院へ行くことです。
- アナフィラキシーは、アレルギーですので原因となる物と接触しないことが最も大切です。アレルギーの既往のある方は、その原因となる物を常に記憶し注意して、摂取・接触しない事です。病院を受診する場合は、必ずドクターに自分のアレルギーの既往を話して下さい。